ダイニング空間
料理を作る場所の近くには、料理を食べれる場所が必要になりますね。
私の実家は昔ながらの田の字の家だったので、キッチンから茶の間が遠かっ
たです。
母がキッチンから料理を運んでいました。私も手伝ったことがあります。
移動距離にすると7〜8mです。行ったり来たりをくり返します。
「お盆」という便利な道具があるので、ある程度はお茶碗やお皿を乗せられ
るのですが、それでも何度も往復しなければなりません。寒い廊下を通って、
畳の部屋だったのでスリッパを脱いで、又履いての繰り返しです。
茶の間での夕食は、そんな感じでした。
今は、LDK(リビングダイニングキッチン)の家に住んでいますので、こ
の「移動」がなくなってとても快適です。
キッチンの前にお皿やお茶碗、箸やコップのおける幅30cmほどのカウンター
があります。キッチンで作ったものは、このカウンターに置かれ、ダイニン
グテーブルに運ばれます。
移動距離は1,2歩です。とても便利です。
これは片付けの時も同じです。1,2歩でカウンターに下膳できます。
うう、ん。昔はなんだったんだろう? と考えさせられます。
「部屋の配置って大切だなあ!」としみじみ思います。
まあ、現在も実家は存在し、帰った時には相変わらず、茶の間に料理を運ぶ
という作業は繰り返されているのですが・・・。
料理を作るところと料理を食べるところを隣接させるのは理にかなっている
ということですね。
茶の間や居間、リビングと呼ばれる部屋は、家の中心というか使う頻度が高
く、人のいる時間の長い部屋です。多くの人は当たり前に広めにしたいと思
います。
部屋というのは壁と天井に囲まれた空間なので、狭いと息が詰まってしまう
んですね。なので、広めにしたいと考える人が多いです。天井も高いほうが
圧迫感が少なくなるので、気分的には気持ちが良い。
「食事をするのに適した場所」と考えると、狭い部屋よりも広くて開放感が
あって圧迫感のない部屋の方がよいですよね。
レストランなど広い空間、高い天井の部屋での食事は気分的に料理を美味し
くしてくれているように思います。(最近は個室のお店が増えて、他人を気
にせず隔離されたいという人も多いようです。たまには良いですけどね。)
では、現実的な話に戻すと。多くの場合はキッチンにダイニングを隣接させ
るだけだとどうなるか?
「狭い部屋」
になるんですね。
だって、リビングを広くしたいじゃないですか。そうするとどこかにシワ寄
せが行きます。それが、キッチンであったり、ダイニングであったりするわ
けです。
「狭いダイニングが嫌だな〜あ!」と思った人達が多いので、それじゃあリ
ビングとダイニングとついでにキッチンも一緒にしてしまえと考えた人がい
たわけです。
ダイニングはリビングと空間が繋がることによって、ダイニングテーブルの
置かれているスペースは小さいのですが、空間的にはリビングの空間を取り
込んで広く見せるという錯覚を起こさせることに成功したのです。
「え、あの広さって錯覚だったの?」と思った人もいらっしゃるでしょうね。
言い方を変えれば、空間の有効活用なんですけど錯覚です。ダイニングのス
ペースは決して広くありません。ダイニングは、リビングの空間を取り込む
ことによって広い空間を確保することが出来た好例といえます。
●これから家を新築される方へ
ダイニングとリビングの違いを考えてみてください。
リビングに必要なもの、ダイニングに必要なものをピックアップしてまとめ
ると意外なことが発見されるかも知れません。「え、家にはリビングって必
要なかったんだ!」なんてことも起きます。
参考に下記をご覧下さい。
リビングなくても使い易い家に住む人達 ← こちらをクリック!
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、
ダイニングスペースを家族の情報基地・雑スペースにしてしまうことです。
パソコンや電話、FAXなどを置き、子供の勉強机につかったり、奥さんのミ
シンを置いたり、家中のゴチャゴチャした作業を行う場所にしてしまうこと
です。こういう雑スペースがあるとリビングが散かりません。また、ダイニ
ングをリビングと仕切れるように扉をつけると来客時にリビングにお客さん
を入れやすくなりますね。
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